WALL

2008年
インスタレーション
(塩)
348.5×1016cm

およそ幅10m、高さ3.5mの壁一面に、筆で一筆一筆、塩を隙間なく塗った作品。筆跡から独特なマチエルが浮かび上がり、一層の膜のように壁を覆っています。
地球上の生物の誕生は海から始まったと考えられています。事実、その痕跡を残すように生物の体液は原初の海の成分と酷似しており、人の体にも、海水の主な成分である塩(塩化ナトリウム)が体重の60~70%を占める水分の内に溶け込んでいます。
塩を介し壁と私との間で繰り返しなされる行為は、太古の生命の記憶を共有することであり、親密な関係を築くための儀式的ともとれる行為です。


多摩美術大学(東京)
2008 年7月19日 - 20日

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