UNTITLED - Can a mere stone be the moon?
(たんなる石ころは月になりえるのか)

2019 年
石、ターポリンシート(1820x2730mm)

古来より私たちは月を仰ぎ、崇めてきました。しかし、宇宙生物学の立場からは、星間雲、惑星、衛星などと比べて、月は生命の痕跡のない無機的な岩石だと言われています*1。「月はたんなる石ころにすぎない」という事実によって、我々の月の見方は変わるのでしょうか。それとも、各地でみられる石信仰のように、たんなる石ころが信仰の対象となり得るのでしょうか。本作品では、地上6階の窓に天体を思わせる巨大な石の写真を設置し、会場内には、実際に撮影した石を展示しました。写真は屋外からしか鑑賞することができないため、鑑賞者は、必然的に地上から見上げるようにして作品を鑑賞することとなりました。*2

*1 石川洋二「月はたんなる石ころにすぎない」『MACRO REVIEW』Vol.2, No.1, 1989, pp.53-56.
*2 藤沢市アートスペース6 階の窓に展示しており、ビルの外からのみ見ること ができる。

藤沢市アートスペース平成30年度企画展Ⅳ
「点と線の宇宙」
藤沢市アートスペース(神奈川)
2019 年2月9日 – 3月21日
主催:藤沢市/藤沢市教育委員会
後援:神奈川新聞社/ JCOM 湘南/レディオ湘南
協力:公益財団法人藤沢市みらい創造財団/ココテラス湘南
企画:喜田早菜江(学芸員)
写真:藤沢市アートスペース提供 Photo:Junji Kumano
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