Disappearance of outline, Sea of memory
2007 / Installation (Used disposable contactlens, bottle, DVD, projector)
Tama Art University,tokyo



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私たちは視覚から多くの情報を得、またそこから生成される記憶に基づいて日々の生活を営んでいます。
それは疑いもなく身体に浸透し自己像を形成していきます。

コンタクトレンズは、角膜に接触させて使用する視力を矯正する器具です。工業製品でありながら目の粘膜を通し身体と同化し、
内と外を繋ぐ重要な役割を果たすものです。さらに、一枚一枚のレンズは、使用者が通過してきた時間とそこから生成される 記憶、
感情、思考の入り交じったものです。

日々排出されるレンズは重なり層をなし浮遊します。それは寄り添うように、日々の表層を掬い上げるように生きる人々の「生」の
痕跡です。その一方、この内と外を繋ぐ上で重要な役割を担うレンズは、指先にのるほどの大きさしかなく、非常に弱く簡単に破損する
ものでもあります。また密封された瓶の中にはカビが繁殖しているものもみられるように腐敗がすすみます。
一見その役割から強固な存在であるかのようなそれらは、非常に脆く儚い存在なのです。

除々に消えゆく物質としの形態。その速度は獲得した外界の輪郭を消すような緩やかさとともに本来の自己を表出させます。

 

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